今回は『軒樋』のお話をさせていただきます!
軒樋(のきどい)は雨樋の一部で、屋根からの雨垂れを防ぐために軒先に取り付ける部材です。
屋根に降った雨水が雨垂れとなって落ちるとき、雨樋がないと直接地面に落ちて跳ね返り、建物の外壁を濡らしたり汚したりする可能性があります。
そのため軒樋を取り付けるのですが、軒樋は滞りなく排水されるように勾配を付けます。
軒先は水平を強調させたい箇所なので、軒樋をどうおさめるかが重要なポイントです。
軒樋を見せたくないとき、軒樋を屋根のなかに組み込む「内樋」という方法があります。
軒樋が見えないのでデザイン的にスッキリします。
内樋を計画する場合は、屋根の面積に見合った容量(深さや幅)の軒樋を選択し、排水能力(短時間で排水できるくらいの勾配)が確保できる造りにすることが大切です。
注意点としては、雨漏りやオーバーフローといったトラブルにより、軒の裏側を汚したり、建物本体を傷めたりするといった問題が発生することもあるので、納め方は慎重に検討しましょう。
内樋が壊れて漏水した場合に、漏れた雨水をすばやく外に誘導するルートを確保しておくと良いかと思います。
また、雨樋を設置しない場合は、軒先の出を深くするか、地面に雨受けの溝を用意するといった対策が必要です。
軒樋の種類
軒樋の形は、半円型、角型、特殊型の3種類に分けられます。
半円型は、形状が単純なので安価です。角形は、半円型に比べて多くの水を流せるため、降水量の多い地域におすすめです。
特殊型は、雪かきをする際に雨樋を傷付けないように特殊な形になっているもので、東北地方や北海道などで使用されます。
複雑な形状をしているため、価格は高くなります。(中国地方では必要ないかもしれませんね💦)
素材にも豊富な種類があります。
塩化ビニル製は、雨や太陽光に弱く、変色や劣化してしまいますが、安価で軽く、組み立てやすい点がメリットです。
非塩化ビニル系合成樹脂製は、塩化ビニル製より耐久性が高いものの、その分値段も高くなります。
ガルバリウム鋼板製は、錆びにくく耐久性がありますが、他の金属製と比べると安価になります。
銅製は神社に使用されることが多く、耐久性も高いですが高価です。
アルミニウム製は、雨水による錆がなく、太陽熱による膨張が少ないのが特徴。ステンレス製は、錆びないうえに耐久力があります。
金属素材は、熱による膨張収縮で季節によって動くため、継ぎ手がある場合はそこが破断して漏水が起こる可能性がある点には注意が必要です。