戸建て住宅に長年住み続けていると、不具合や傷みが気になってきます。気になる箇所を個別に修繕したり、リフォームしたりするよりも、いっそのこと建て替えを検討したいという人もいるでしょう。
家を建て替えたいと思ったら、まずは建て替えが可能な土地かどうかを確認しておく必要があります。既存のまま住み続けることはできても、土地によっては建て替えができない場合があるからです。建て替えを検討する際の注意点を紹介します。
■再建築不可物件
今、家が建っている土地が「再建築不可物件」の場合は、家を解体して更地にしてしまうと新たな家を建てることができません。都市計画区域と準都市計画区域内の土地は、建築基準法により「幅員4メートル以上の道路に2メートル以上接していないといけない」という接道義務が定められています。このため、旧法令では認められていた建築も、現在では基準を満たさないケースがあるのです。
ただし、再建築不可物件であっても、土地の周囲に公園や水路、遊歩道などがあれば建築が認められることもあります。また、土地に接している道路幅が4メートルに満たなくても、道路と敷地の境界線を後退(セットバック)させ、拡幅によって建て替えが認められるケースもあります。
■既存不適格建築物
法令の改正により、現行の法令の下では基準に適合しない建物を「既存不適格建築物」といいます。既存不適格建築物を建て替える際は、現行の法令に従う必要があるため、面積や高さなどが制限されることがあります。現状より延床面積を増やすことは難しくなるため、建て替えの際には注意してください。
■リフォームや売却も検討を
今住んでいる家が再建築不可物件や既存不適格建築物であっても、建て替えはできなくてもリフォームは可能です。ただし、建築確認申請が不要な範囲の工事でなければなりません。また、建て替えが可能な土地であっても、予算的に難しい場合もあるでしょう。そのときは、フルリフォームという選択肢があります。
フルリフォームであれば、建て替えより工期が短くて済みますし、住みながら工事を行えれば引っ越しの必要がないので費用も抑えられます。さらに、建て替えやリフォーム以外に、売却して住み替えるという方法もあります。
色んな方法を検討してこれからも長く住み続けるために、自分達にあったいい方法を見つけることが大事ですね。