家づくりのお打ち合わせで、InstagramなどのSNSを見ながら「我が家にも絶対にこれを作りたい!」とリクエストが多い人気の設備があります。 それが、壁の一部を凹ませて作る小さな収納スペース「ニッチ(壁厚収納)」です。
リビングにインターホンや給湯器のリモコンをスッキリまとめる「リモコンニッチ」や、お気に入りの雑貨を飾る「飾り棚ニッチ」。壁の厚みを利用するため、空間を狭くすることなくオシャレさと便利さをプラスできる、まさに注文住宅の醍醐味とも言える設備ですよね。
しかし、「ニッチを作りたいです!」と伝えたあと、いざ設計図を書く段階になって「深さは何センチにしますか?」「床からどのくらいの高さにしますか?」と聞かれ、ハッと迷ってしまう方が非常に多いんです。
こんにちは!福山市でデザイン性と暮らしやすさにこだわった注文住宅を手がけている、スリーピースホームです。
ニッチは、「何を置くか(用途)」によって最適な深さと高さが全く違います。ここを間違えると、「リモコンがはみ出して不恰好に…」「高すぎて雑貨のホコリが見えない…」といった残念な結果になりかねません。
そこで今回は、迷える皆さんのために、用途別ニッチの「最適な深さと高さ(寸法)」の結論をプロの目線からズバリ解説していきます!
1. 用途別!ニッチの最適な深さと高さの目安
まずは、よく使われる3つの用途ごとに、失敗しないベストな寸法の「結論(目安)」をお伝えします。 (※高さは、床からニッチの中心部までの距離です)
■ ① リモコンニッチ(インターホンやスイッチ類をまとめる)
- 最適な深さ: 約7cm 〜 9cm
- 最適な高さ: 床から約120cm 〜 130cm(大人の胸の高さ)
■ ② 飾り棚ニッチ(写真立てや小さな雑貨、お花を飾る)
- 最適な深さ: 約10cm 〜 15cm
- 最適な高さ: 床から約140cm 〜 150cm(大人の目線の少し下)
■ ③ マガジンニッチ・スリッパニッチ(本や小物を収納する)
- 最適な深さ: 約10cm 〜 15cm(※落下防止のバー付き)
- 最適な高さ: 床から約20cm 〜 50cm(足元〜腰より下の低い位置)
これが、生活の中で最も使いやすく、そして美しく見える「黄金比」の寸法です。 それでは、なぜこの深さと高さがベストなのか、それぞれの理由と設計する際の注意点を詳しく見ていきましょう!

2. 実用性No.1!「リモコンニッチ」の寸法の理由と注意点
リビングやダイニングの壁に、インターホン、給湯器、床暖房、太陽光パネルなどのリモコン類をひとまとめにする「リモコンニッチ」。壁からリモコンが出っ張らないため、空間が劇的にスッキリ見えます。
【深さ:7cm〜9cm】の理由
最近のリモコンやインターホンは非常に薄型に作られており、厚みはだいたい2cm〜4cm程度です。そのため、ニッチの深さが「7cm〜9cm」もあれば、リモコンが壁から飛び出すことなく、完全に奥へスッポリと収まります。 逆に深さを10cm以上にしてしまうと、リモコンのボタンを押す際に指がニッチの枠(フチ)に当たってしまい、非常に操作しづらくなるので「浅め」に作るのが鉄則です。
【高さ:120cm〜130cm】の理由
リモコンの画面の文字を見たり、スイッチを押したりするのに一番ラクな姿勢は、「立ったまま、腕を自然に曲げた位置」です。これが、床から120cm〜130cm(大人の胸〜肩くらいの高さ)になります。 「子どもがお留守番の時にインターホンを押せるように低くしたい」というご要望もありますが、あまり低くすると大人が毎回かがんで操作しなければならず、かえって不便になります。お子様には踏み台を用意するなどして、基本的には「大人が一番使いやすい高さ」に合わせるのが正解です。

3. 空間を彩る!「飾り棚ニッチ」の寸法の理由と注意点
玄関ホールやトイレ、リビングの壁に、お気に入りの雑貨や小さな観葉植物、季節の飾りなどをディスプレイするためのニッチです。
【深さ:10cm〜15cm】の理由
飾り棚の場合、リモコンニッチよりも「少し深め」に作るのがポイントです。 写真立てのスタンド部分や、小さな花瓶、ディフューザー(芳香剤)などを安定して置くためには、最低でも10cm、理想を言えば15cmほどの奥行きがあると、飾れるモノのバリエーションがグッと広がります。
【高さ:140cm〜150cm】の理由
雑貨や写真を一番美しく見せるためには、「大人の目線の少し下(見下ろす角度)」に配置するのがベストです。これが、床から140cm〜150cmの高さになります。 これより高い位置(例えば170cm以上)に作ってしまうと、飾っているモノを見上げる形になり、雑貨の「裏側」や「上に溜まったホコリ」が目立ってしまい、せっかくのオシャレ感が半減してしまうので注意が必要です。
4. 収納力アップ!「マガジン・スリッパニッチ」の寸法の理由
トイレの壁にトイレットペーパーを収納したり、キッチンの袖壁にレシピ本を立てかけたり、玄関にスリッパを収納したりと、実用的な「収納」として使うニッチです。
【深さ:10cm〜15cm】の理由
本やスリッパを立てて収納するため、ある程度の深さが必要です。さらに、手前に倒れてこないようにアイアンのバー(落下防止の棒)を取り付けることが多いのですが、そのバーを取り付けるスペースも考慮すると、10cm〜15cmの深さが最も使いやすくなります。
【高さ:20cm〜50cm】の理由
マガジンラックやスリッパ収納などは、基本的に「低い位置(足元)」に作ることで、空間の圧迫感をなくし、生活感をうまく隠すことができます。 ソファに座ったまま本をサッと取り出せる高さや、玄関で靴を履き替える時に自然に手が伸びる高さをイメージして、床から20cm〜50cmの低い位置に設計するのがおすすめです。
5. 【要注意】ニッチは「好きな壁の、好きな深さ」で作れるわけではない!?

ここまで理想の寸法をお伝えしてきましたが、家づくりの現場において、絶対に知っておかなければならない最大の注意点があります。
それは、「ニッチは、家の壁ならどこでも、好きな深さで作れるわけではない」ということです。
ニッチは、「壁の厚み」を利用して作る凹みです。 木造住宅の一般的な壁(石膏ボードの裏にある柱の厚み)は、だいたい約10cm〜13cm程度しかありません。つまり、壁の構造上、作れるニッチの深さの限界は「最大でも10cm前後」になることがほとんどなのです。
「どうしても15cm以上の深いニッチを作って、大きな絵本や観葉植物を置きたい!」 という場合は、どうすればいいのでしょうか?
その場合、ニッチを作る部分の壁だけを、あえて「手前に出っ張らせる(壁をふかす)」という大工工事が必要になります。壁が手前に出てくるため、その分だけ少し部屋が狭くなってしまうというデメリットが発生します。 また、家の強度を支える「大切な柱(管柱)が入っている壁」や「筋交い(斜めの補強材)が入っている壁」、「外壁に面している壁(断熱材が詰まっているため)」には、物理的にニッチを作ることができません。
福山市で、細部まで計算された美しいニッチをつくるなら
いかがでしたでしょうか。 たかが小さなニッチ、されどニッチ。「何を置くか」によって、数センチ単位で使い勝手と見栄えが大きく変わってくることがお分かりいただけたかと思います。
福山市のスリーピースホームでは、「ニッチを作りたいです!」というご要望をいただいた際、ただ壁を凹ませるような設計は絶対にいたしません。
「ここに飾るのは、どんな大きさの雑貨ですか?」 「一番背の高い奥様の身長に合わせて、リモコンの高さをミリ単位で調整しましょう」 「この壁は構造上ニッチが作れないので、キッチンのすぐ横のこちらの壁に移動して、マガジンラックと一体型にするのはどうでしょうか?」
と、プロの設計士がお客様のライフスタイルや建物の構造を総合的に判断し、最も美しく、最も実用的な「あなただけのニッチ」のベストバランスをご提案いたします。
「インスタで見つけた、こんな可愛いニッチを作ってみたい!」 そんな憧れの画像があれば、ぜひお打ち合わせの際に見せてくださいね。デザインと機能性が両立する、毎日の暮らしがちょっと楽しくなるような素敵な家づくりを、私たちスリーピースホームと一緒に叶えましょう!








