【福山市の注文住宅】玄関の段差をなくしたい!それでも家を少し高く上げて建てる理由とは?

家づくりのお打ち合わせで、外観や間取りのお話を一通り終え、外構(お庭やアプローチ)のお話になった時によくご相談いただくお悩みがあります。

「ベビーカーの出し入れが大変だから、玄関の段差(階段)をなくしてフラットにできませんか?」
「将来、車椅子に乗るかもしれないから、お店みたいに道路からスッと入れるバリアフリーな玄関にしたいです」

毎日のお買い物で重い荷物を持っている時や、小さなお子様を抱っこしている時、玄関に段差がないフラットな設計なら本当にラクで便利ですよね。
お気持ちはとてもよく分かります。
しかし、日本のほぼすべての戸建て住宅は、地面から少し「高い位置」に床がくるように設計されており、その高さの差を埋めるために「玄関ポーチの階段」が必要になります。

こんにちは!福山市でデザイン性と暮らしやすさにこだわった注文住宅を手がけている、スリーピースホームです。

実は、バリアフリーの観点から見れば少し不便に感じるかもしれない「家を地面より少し高くして建てる」という構造には、ご家族の安全と、建物の寿命を守るための「絶対に譲れない理由」が隠されているのです。

今回は、なぜ日本の住宅には玄関階段が必要なのか、家を少し上げて建築する3つの重要な理由をプロの目線から分かりやすく解説していきます!

1. 理由その①:大雨や水害(床下浸水)から家族と家を守るため

家を高く上げて建てる一番の理由は、ズバリ「水」から家を守ることです。

日本は昔から台風やゲリラ豪雨が多く、急な大雨に見舞われることがよくありますよね。
大雨が降った時、道路や水路からあふれた水が敷地内に流れ込んでくる光景を見たことがある方もいらっしゃるかもしれません。

もし、家が道路と全く同じ高さ(フラット)に建っていたらどうなるでしょうか?
敷地に水が流れ込んできた瞬間、そのまま玄関のドアの隙間から家の中へと水が直接侵入し、「床下浸水」や「床上浸水」といった大きな被害に直結してしまいます。

【基礎の高さが、家の「防波堤」になる】
一般的な木造住宅の場合、地面から建物の土台(基礎)までの高さは、建築基準法という法律で「最低でも30cm以上」高くするように定められており、現在の多くの住宅では約40cm〜45cmほどの高さに設定されています。

この40cmという高さがあるおかげで、ちょっとした大雨で庭に水がたまってしまっても、家の中まで水が入ってくるのを防ぐことができるのです。 家を少し高く建築することは、自然災害からご家族の安全な暮らしと大切な財産を守るための、いわば「見えない防波堤」の役割を果たしています。

2. 理由その②:床下の「湿気」を防ぎ、家を長持ちさせるため

家を高く上げる2つ目の理由は、建物の天敵である「湿気」を逃がすためです。

木造住宅にとって、一番恐ろしいのは何だと思いますか?
それは、地震でも火事でもなく、木材を腐らせる「腐朽菌(ふきゅうきん)」と、木を食べてしまう「シロアリ」です。
そして、この菌やシロアリが一番大好きな環境こそが、ジメジメとした「湿気の多い場所」なのです。

【風の通り道を作って、家を呼吸させる】
地面の土は、私たちが思っている以上にたっぷりと水分を含んでいます。
もし、家の床が地面スレスレのフラットな高さにあったら、地面からの湿気が直接床下にこもり、あっという間にカビが生えて木材が傷んでしまいます。

そこで、家を地面から40cmほど高く持ち上げ、さらに基礎の部分に「床下換気口」や「基礎パッキン」と呼ばれる風の通り道を作ります。 こうすることで、床下に常にカラッとした新鮮な風が吹き抜けるようになり、湿気が溜まるのを防ぐことができるのです。

日本の伝統的な神社仏閣や、昔の古民家を見ても、床が地面からかなり高い位置に作られていますよね。
これは、高温多湿な日本の気候の中で、木造の建物を何百年も長持ちさせるための、昔からの素晴らしい知恵なのです。
現代の新しいお家も、この知恵を受け継いで、家を少し上げて「呼吸」させてあげることで、長く安心して住める頑丈な状態を保っています。

3. 理由その③:見えない「配管」のスペースを確保するため

3つ目の理由は、毎日の生活に欠かせない「水回り」の仕組みに関係しています。

キッチンでお皿を洗った後の水、お風呂のシャワーのお湯、トイレを流した後の水。
これらがどうやって家の外に流れ出ていくか、考えたことはありますか?

実は、これらの生活排水はモーターのような機械で押し出しているわけではなく、単純に「重力(水の流れる勢い)」を利用して、道路の下にある下水管まで流しているのです。
水は高いところから低いところへ流れますよね。
つまり、家の中から外の下水管に向かって、パイプ(配管)に「なだらかな下り坂(勾配)」をつけてあげる必要があります。

【床下にパイプの「下り坂」を作るスペースが必要】
もし家が地面と完全にフラットだった場合、パイプに下り坂をつけるための「高さ」が足りなくなってしまいます。
無理やり平らなパイプを通してしまうと、水が途中で止まってしまい、汚れが溜まってすぐに詰まってしまう大惨事に……。

家を40cmほど高くして「床下の空間」をしっかりと確保することで、太い排水パイプを斜めに配置する余裕が生まれます。 毎日キッチンやトイレの水をトラブルなくスムーズに流せるのは、家が少し高い位置に建っていて、床下に見えない配管スペースがしっかり確保されているおかげなのです。

4. 【プロの視点】それでも段差をなくしたい!階段以外の解決策は?

ここまで読んでいただくと、「家を少し高くしなければいけない理由」はお分かりいただけたかと思います。
家の床が地面より約40cm〜50cm高くなるため、その差を上るために「玄関ポーチの階段(2〜3段)」がどうしても必要になる、というわけです。

では、「理由があるのは分かったけれど、それでも将来のためにベビーカーや車椅子で通れるようにしたい!」という場合はどうすればいいのでしょうか?

【解決策:階段の代わりに「スロープ」を設置する】
階段をなくす解決策としては、なだらかな坂道である「スロープ」を設置する方法があります。
しかし、ここで一つ大きな注意点があります。
車椅子が安全に上り下りできるスロープを作るには、想像以上に「長い距離」が必要になるのです。

バリアフリーの基準では、車椅子を自分でこいで上るためのスロープの傾斜は「1/12〜1/15以下(1cm上がるのに12cm〜15cm進むゆるやかさ)」が推奨されています。 つまり、玄関の高さが40cmある場合、約5メートル〜6メートルもの長さのスロープを作らなければなりません。

敷地にそれだけの広々とした余裕があればスロープの設置は可能ですが、「駐車場を何台分か確保したい」「お庭も作りたい」といった限られたスペースの中では、現実的に難しいケースも多々あります。

【現実的なおすすめプラン】
そのため一般的な住宅では、スペースを有効活用できる「階段」を採用しつつ、以下のような工夫をするのが現実的でおすすめです。

  • 階段の高さを低くする: 階段の1段の高さ(蹴上げ)を15cm〜18cm程度のゆるやかな寸法に設計し、誰もが歩きやすい階段にする。
  • 将来用のスペースを残す: 今は階段にしておき、将来どうしても必要になった時にコンパクトなスロープや昇降機を増設できるよう、玄関横にスペースを空けておく。
  • 手すり用の下地を入れる: 設計段階で壁に手すり用の下地を入れておき、必要な時にすぐ手すりを取り付けられるようにする。

福山市で、見えない構造まで安心できる家づくりを

お店や病院のように段差のないフラットな入り口に憧れる気持ちもありますが、住宅の玄関に階段があるのは、「水害から家族を守り、家を健康に保ち、毎日快適に暮らすため」の、とても大切で合理的な理由があるからなのです。

福山市のスリーピースホームでは、ただ見た目がおしゃれな家をご提案するだけでなく、こういった「目には見えないけれど、何十年と安心して暮らすために絶対に欠かせない構造や仕組み」を一番に考えて設計しています。

「うちの敷地は雨が降ると水がたまりやすい気がするけれど、基礎の高さはどうすればいい?」「将来のために、玄関の階段の横にスロープを作れるスペースを残しておきたい」など、どんなご要望でもお気軽にご相談ください。

お客様の土地の条件やライフスタイルに合わせて、安全とデザインが美しく両立するプランを、プロの設計士が丁寧にご提案いたします。 「デザインにも、家の性能にも妥協したくない!」という方は、ぜひ一度スリーピースホームまでお問い合わせくださいね。一緒に、いつまでも安心して帰れる理想の住まいをつくりましょう。

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